企業が利益を生む2利益モデル
利益が生まれる道筋には一つとして同じものはない。分析する上で重要なことは、企業の固有性を形作る様々なディテールを理解することである。
企業が利益を生む23通りの利益モデルを説明する。
- 顧客ソリューション利益モデル
顧客の特色や経済状態に合わせてカスタマイズした製品やサービスを提供する。
短期的には赤字かもしれないが、顧客がカスタマイズのメリットを感じると継続的に利用し続け、長期間利益を出せる。 - 製品ピラミッド利益モデル
複数の価格帯を用意し、顧客の価格感応性に応じて製品を提供する。低価格帯商品を売ることで、他社が安い価格で市場シェアを奪うことを防ぐ。 - マルチコンポーネント利益モデル
顧客は購買機会に応じて異なる購買行動を示す。店頭売りと外商など基盤ビジネスを複数のチャネルで展開する。 - スイッチボード利益モデル
関連した製品・サービスのチャネルをパッケージ化する。チャネルを一定数以上、囲い込むことでクリティカル・マス(臨界点)に到達した企業は、相手の取引先選択肢を減らし優位に立てる。 - 時間利益モデル
新製品を真っ先に市場に送り出すことで利益を生み出す。半導体など。 - ブロックバスター利益モデル
大ヒット製品を生み出す。そのための研究開発体制を構築する。製薬メーカーなど。 - 利益増殖モデル
キャラクターや技術などを様々な形式で繰り返し再利用する。 - 起業家利益モデル
徹底した倹約精神と明確なコミュニケーション、スピード、挑戦。マインドセットが利益を生み出す。 - スペシャリスト利益モデル
低コスト、業界内での高い評価や製品のユニークさで可能となる有利な価格。販売サイクルの短さ、高付加価値製品を何度でも売れる。 - インストール・ベース利益モデル
ハードウェアと付属の消耗品を売る。顧客をロックインできる。カメラなど。 - デファクト・スタンダード利益モデル
デファクトを抑えた会社は、現状の一歩先を計画し、次の流れを作ることができる。 - ブランド利益モデル
ブランド利益はこれまで効果的な宣伝活動に投じた資金の賜物である。 - 専門品利益モデル
顧客ニーズと製品バリュエーションを見つけ、ニッチ製品を探す。 - ローカル・リーダーシップ利益モデル
地域ごとに集中出店し、効率化により他社を排除する。ウォルマート、スターバックス。 - 取引規模利益モデル
大口取引のみを狙う。大口取引が取れないリスクを伴う。関係性が重要。 - 価格連鎖ポジション利益モデル
バリュー・チェーンの中のコントロール・ポイントを支配する。インテルなど。 - 景気循環利益モデル
販売量ではなく損益分岐点を重視し、コスト削減や価格徹底を徹底し、利ざやを取る。 - 販売後利益モデル
最初の取引さえ成立すれば、新たなフォローアップ製品の需要が生じる。保守、保険など。 - 新製品利益モデル
新製品のライフサイクルを捉え、次の波を真っ先に捕まえる。