大人のための読書の全技術

発刊
2014年7月31日
ページ数
343ページ
読了目安
363分
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効率的に読書をするためのワザ
効率的に読書をして、学びにつなげるためのテクニックをまとめた1冊。
速読、精読、本選び、アウトプットの方法など、読書を効率化するためのワザが紹介されています。

なぜ読書が必要なのか

テレビやインターネットで知識を学んでも、読書で得られるような「体系だった使える知識」は得られない。さらに、読書でしか手に入れられない決定的なものに、社会を生き抜くための「思考力」がある。読書は、文字を追い、頭の中でその意味を咀嚼し、さらに自分の中へ変換していくプロセスが求められる。そのため、集中し続ける必要があり、頭の中はフル回転する。集中して読む事ではじめて、思考力が高まっていき、読書で得たものが自分のものとなっていく。

 

日常的に本を読むライフスタイルを確立するには、自分の中でルールをつくる事が大切である。電車の中では、携帯電話をいじらないようにして必ず文庫本を読む、という事をルールにすれば、読書を習慣にする第一歩が踏み出せる。あるいは1日の内、1時間は必ずカフェに入って本を読むというルールを決めてもいい。

 

この20年ほどで、私達の仕事の質が急速に変わってきた。ビジネスの課題は絶えず生まれ、処理すべき情報が膨大になっている。そして、そのような中で自分で問題を見つけ、解決していく事こそが、仕事の本質となりつつある。

しかし、自分で経験できる事や自分で考えられる事など、限られている。だからこそ、それを補うために偉大な人達が書いた本を読む必要がある。但し、ただ読むだけではいつまで経っても受け売りしかできない。経験と言葉を結び付けていく読み方を身につけるべきである。

 

読書というのは孤独な作業である。しかしその孤独な時間を使って、偉大な著者の言葉に触れる事で、自分の思考力が高まり、強靭な精神力が鍛えられていく。本で知り得た事を自分に引きつけながら読む事によって、経験と言葉を結び付け、自分の精神世界を垂直方向へ広げていく事ができる。その結果、その人が持つ経験値は飛躍的に上がっていく事になる。

 

速読と精読、両方の技術が必要である

現代に生きる私達は忙しく、読書に割ける時間は限られている。より多くの本を読むためには、速読する本と、精読する本をきちんと選別して、効率化を図るべきである。その時、短時間で内容を把握する「速読モード」と、ゆっくり読む「精読モード」の2つのギアを持っている必要がある。

 

速読の技術

一冊あたりの読む速度を上げるためには、2つのやり方がある。

 

①目を速く動かしていく方法
均等にページをめくって、全部の文章をざっと見ていく。但し、速読に不慣れな内は、目で文字を一生懸命に追っても、内容が頭に入ってこない。逆に内容をしっかり理解しようとすると、目が文字を追う速度は極端に遅くなる。そこで「本を読む目的を設定する」「本を読み終える時間的締め切りを設定する」という2つの方法がある。

新書など論説文の場合は、読む順番を変えるのも1つの方法である。まず、目次を眺めて結論部分らしき章をすばやく見つける。そして小見出しをチェックし、そこから読み始める。つまり、目的をはっきりさせた上で逆算する。あくまで本の内容を理解する事が主な目的である、本の内容を要約できればいいとゴールをはっきりさせる事が大切である。

 

②全体の中で、必要な部分だけをピックアップして、そこを集中的に読む方法
この方法で求められるのは、どこをピックアップするかというセレクトの技術であるため、速く読むための技術は必要ない。

重要だと思われるところを見つけるのに頼りになるのが「目次」である。とにかく多くの本を読んで、自分のセレクト能力を高めておく必要がある。目次を活用する以外に、キーワードを探しながら読んでいく方法もある。本を読む前に自分の中で、あらかじめ大事なキーワードを5、6個決めておく。そして、カバーの袖の部分とか、要約している部分などを見て、キーワードを探していく。

 

精読の技術

「音読」は、精読のために欠かせない技術である。文章を本当に理解するには、どこで切るか、イントネーションをどうするかも重要な要素であり、意味の取り方が読みの中に現れる。正しい読み方を学ぶ事は、精読には大事な事である。

 

さらに声に出して読む事により、その言葉の意味が自分の内側に乗り移ってくる。それにより、いちいち意味の説明を全部聞かなくてもわかる、というような読み方が実現できる。

音読をする際にまず大切なのは、音読したい場所を見つける事である。どんな文章でもいいが、古典と言われている作品は、普遍的な価値観を持っているのでおすすめである。