なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること

発刊
2023年7月19日
ページ数
256ページ
読了目安
217分
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結果は勉強を始める前の準備で決まる
勉強を始める以前に、自分に合った勉強法を準備するから、自分に合った努力が続けられて、苦労せずとも結果が出る。

多くの東大生を生み出した講師や現役東大生からなる、勉強法のスペシャリスト集団が、成果を出している人たちの勉強法を解説している一冊。実際に効果があった勉強法がわかりやすく紹介されており、最初に一読しておくと、受験勉強やテストに挑む際に役に立ちます。

無駄な努力をせずに、効果的に勉強を進めるための指針となります。

自分に合った勉強法を知る

多くの人が「自分に合った努力」ができないのは、自分のことをよく理解できていないからである。最小の努力で最大の結果を出す人は、主観と客観を合わせる調整をして、本当に得意なことと苦手なことを、正しく把握している。勉強以前に、自分がどのように努力をすれば結果が出るのか、マトリクスで整理することで、結果につながりやすくする。

 

マトリクスの使い方は、次の3STEPである。

STEP1:縦に「得意」と「苦手」、横に「好き」と「嫌い」と書いたマトリクスをつくる
STEP2:自分が今から自己分析したいことを書き込んでいく
STEP3:シートを完成させて、「好き」「嫌い」「得意」「苦手」という主観と客観を見える化する

 

「好き」×「苦手」の勉強法

ほんの少しの努力で「できた」に持っていける可能性が高いので、最優先で努力するべきところである。好きなのにうまくならないのは「努力の方向性」が間違っている可能性が高い。しっかりと努力の方向性を軌道修正する必要がある。

 

結果を出せる人とそうでない人の最大の差は「目的意識」にある。結果につながる努力をするためには、その努力の目的を考えなければならない。目的を明確にするためには「分解」する必要がある。例えば、英語と言ってもリスニング、英文法、英作文、英単語などいろんな分野がある。自分は何ができていないから成績が低いのかを考えていないと意味がない。自分ができているところ、できていないところを知るためにはデータを集めるしか方法はない。テストがあるものは「出題範囲」を参考に分解する。さらに難易度などを考えればもっと深く分解できる。

自分の弱みが見えてきたら、それを克服するのが「目的」になる。そして目的に辿り着くために具体的な目標に落とし込んでいく。目標を立てる時には「最低目標」と「最高目標」の2つを立てるといい。

 

「嫌い」×「苦手」の勉強法

嫌いな上に苦手なことは、まずは「やろう」という気になること自体が最大の壁になる。そのため、習慣化して、ずっと取り組み続けられるようにしなければならない。おすすめなのは、「場所」で習慣をつくること。家は「休む場所」というイメージがあり、そのイメージが自分の中で固定されている場合が多い。東大生の多くが実践していた方法は、自室ではなくリビングや廊下で勉強するというもの。ルーティンの空白地帯に「嫌い×苦手」な勉強をするという新しいルーティンを埋め込んで、習慣化してしまう。自室しか勉強できない場合は「立ってやる」のもおすすめである。

 

三日坊主になってしまう人が、三日坊主をやめるために精神論に頼っても、何の意味もない。三日坊主を防止できる仕組みをつくった方がいい。こういう時こそ、スマホを活用すべきである。勉強に活用できるアプリは次の通り。

  1. リマインダー
  2. みんチャレ
  3. 写真・アルバム(問題を写真に撮り、後から勉強する)

 

実は東大生の多くは、勉強のスケジュールをつくらない。その代わりに「どれくらい終わらせなければならないか」というノルマを決めている場合が多い。ノルマで考えていれば、計画がうまくいかなかった時のリカバリーも簡単にできるようになる。

 

「嫌い」×「得意」の勉強法

いかに時間をかけずに結果を出すかがポイントである。時間の使い方を工夫することで、タイパ良く結果を出すことができるようになる。

おすすめなのが「メリハリをつける」こと。東大生はメリハリを持って物事に取り組んでいる場合が多い。まずは一度、自分の1週間の時間の使い方を書き出してみるといい。わりと使途不明の時間、何をしているか説明できな時間があるはずである。時間の使い方がうまい人は、その時間の「目的」をしっかり定義できる人である。

毎週、自分のタイムスケジュールを考え、そのスケジュール通りに進められたのかどうかをチェックする。今はこれをやらなければと考えられるようになると、時間にメリハリをつけることができるようになる。

 

面倒くさがりなのに東大に受かった人の特徴に「ゴールを先に見て逆算していく」という思考法がある。彼らはまず過去問を見る。そして「これが解けるようにならなきゃならないんだな」と、勉強した先でどんな問題を解けるようになる必要があるのかを意識している場合が非常に多い。逆算の思考は、「ムダ」を省いてくれる。

 

多くの場合、成績が上がらない人の勉強は「ただ見ている」だけである。「見る」だけの勉強は、全然学習効果がない。勉強には新しい知識や解法を覚えるインプットと、誰かにそれを説明したり、テストしたり活用したりするアウトプットの2つがある。実験では、人間がものを覚えるためには「インプット3割・アウトプット7割」が黄金比だと判明している。アウトプットを中心にしておくと、勉強がどんどん効果のあるものになっていく。