ビジネスに効く! 教養として身につけたいテクノロジー

発刊
2019年2月7日
ページ数
200ページ
読了目安
187分
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推薦者

テクノロジーのトレンドを読み解く
テクノロジーの発展を「インターフェース」という点から解説し、最近のテクノロジーの動向を紹介している一冊。

インターフェースに注目せよ

目まぐるしく変わる社会で、未来を見通して生き抜くためには、AIやビッグデータなど日々現れるテクノロジーのトレンドを追うだけでは十分ではない。必要なのは「インターフェース」に注目することだ。特にテクノロジー分野でのインターフェースとは、人と人や、人とコンピュータ、コンピュータとコンピュータの境界を示す。人とコンピュータの境界には、キーボードやマウス、ディスプレイやタッチパネルがあり、人はこれらのインターフェースを通して、情報を受け取っている。これらのインターフェースの普及なしにコンピュータテクノロジーの発展はなかった。

インターフェースが発展すると、人とコンピュータとの間で行き交いする情報量が増える。そのため、人はそれ以前に比べてテクノロジーの力を最適に使えるようになる。それだけでなく、テクノロジー自体も強化されていく。

マルチタッチインターフェースによる発展

2010年前後からは、ディスプレイと複数の指先によるタッチ入力が統合されたマルチタッチインターフェースが登場し、スマートフォンが普及し始めた。このマルチインターフェースは、従来のインターフェースと比べて、3つの新規性があった。

①三次元情報の入力
②入出力のインターフェースを統合
③コンパクト

スマートフォンは、1日の内ほぼ24時間、利用者の情報を取り続けることができ、入力に応じた情報を出力していく。「人とテクノロジーが生活のどんな場面でも常に一緒にいる」という状況が当たり前になった。

現代は、インターフェースとテクノロジーと社会の発展が互いに作用しあっている。どちらか一方だけの発展はあり得ない。そのために、インターフェースとテクノロジーと社会の発展を関連づけて見る力を養う必要がある。

AIやビッグデータ発展の鍵もインターフェース

2012年あたりから流行の兆しを見せているビッグデータやAIも普及の鍵を握っているのは、インターフェースだ。AIはデータの処理はできるものの、それだけでは十分に人にとって使いやすい技術とは言えない。大量の情報処理結果をいかに人が理解できる形で出力するかが問題になる。擬似的な三次元情報の入力であるマルチタッチインターフェースと三次元に配置されたGUIでは不十分である。

そこで鍵を握るのが、三次元のインターフェースである「xR技術」である。xRとは、VR、AR、MRの総称である。マルチタッチインターフェースまでは、出力されるのは二次元情報だったが、xRの登場により、三次元で情報が出力されるようになった。そのため、ビッグデータやAIで処理されたデータを、人が理解しやすいように出力できる点で注目が集まっている。

xRの入出力インターフェースは、映像や音声も三次元情報で出力される。これらにより、使用者の没入感が高まるだけでなくコンピュータから得られる情報量も今までより格段に増える。現在、xRにかかわるインターフェースは筐体が大きな物が多く、スマートフォンのように持ち運ぶのは現実的ではない。xRのインターフェースが小型化するか、このまま大きなままでいるかによって、人がxRを使う未来も変わってくるだろう。

コミュニケーションコストを減らす

人とコンピュータの間でコミュニケーションを取ることは、大きなコストがかかる。そのコストを減らすことができるのが、インターフェースの利点だ。今のインターフェースは、コミュニケーションコストをどんどん減らす方向に発展している。

かつて人とコンピュータの間で必要だった専門知識という障壁は限りなく低くなった。誰もがコンピュータの力の恩恵を受けられるようになると、その分だけサービスや社会構造が変わっていく。