スマート・チェンジ 悪い習慣を良い習慣に作り変える5つの戦略

発刊
2015年1月22日
ページ数
300ページ
読了目安
438分
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行動を変えるにはどうすればいいのか
行動を変えるにはまず、失敗し続けている原因を特定し、改善しなければならない。
人間の習慣付けの仕組みを説明し、どのように悪い習慣を変えれば良いのかを、認知心理学者の著者が解説している一冊。

新しい習慣作りを支援する構造が必要

行動をなかなか変えられないのは、習慣づけシステムが働いて、過去にうまくいった行動を無意識に繰り返しがちなせいでもある。まだ何か見返りはあるけれど変えたいという場合は、習慣づけシステムに打ち勝つ必要がある。

 

行動を変えにくくしているもう1つの要因は、人が自分にとってゆくゆくはプラスになる事よりも今この瞬間の快楽を優先しがちだという事だ。その結果、目標達成の系統的な失敗の多くが、将来の自分にとって将来最良の事ではなく、今の自分にとって最良の事をしがちな状況に関連している可能性が高い。

行動を変えるにはまず、自分がどんな目標を達成するのに失敗し続けているかを突き止めなくてはならない。それから、うまくいかない原因となっている行動を突き止める。最終的には、行動を長続きさせる要因を考慮に入れた行動計画作りが必要だ。

 

悪い習慣を良い習慣に作り変える5つの戦略

行動を変えるためには動機付けシステムのあらゆる側面に働きかける必要がある。特に使うべきツールは5種類ある。

 

①目標を最適化する
行動を変えるためには、新しい目標を設定し、それらの目標を環境と関連づける必要がある。行動を変えて長時間持続させるには、目標を最適化する事が重要だ。目標を作動できるように具体的に表現し、消極的ではなく積極的な形で記されていなければならない。同時に行動を長い間維持するような目標を設定する必要がある。具体的目標の質を最高にするには、成功した場合に分かるように、はっきりした結果が出るものにするべきである。

 

②ゴーシステムを飼いならす
ゴーシステムはいったん習慣がつくと、その習慣が当てはまる環境に戻るたびに同じ行動を取らせようとする。行動を変えるためには、既存の習慣が行動に及ぼす影響を最小限にした上で、ゴーシステムをプログラミングし直して環境を別の一連の行動と関連づけなくてはならない。

新しい行動が形になるようにするには、やるべき事をやるための計画を作らなければならない。その上で、行動を変える途中でぶつかる可能性のある障害に対する具体的な対処法を考える必要がある。

 

③ストップシステムを活用する
ストップシステムはゴーシステムに比べてはるかに有効ではない。時には、行動をタブーにする保護された価値を作動させ、ストップシステムの強化を図ってもいい。保護された価値は、その価値を踏みにじる事が非常に恐ろしくてそんな行動について考えるのも嫌だという気持ちにし、考えればやましさを感じるようにして、ストップシステムの力を増す事ができる。

 

④環境を管理する
大抵の場合、最も取りやすい行動というのは前回同じ状況で取った行動だ。それが習慣の土台になる。周囲の環境が習慣をサポートしている内は、以前に取った行動を取り続ける。行動の大半は環境が原動力になっている。

行動を変えたいなら、世界と望ましくない行動との一貫したマッピングを断つ必要がある。それから、自分が取りたい行動を習慣づけるのに必要な一貫したマッピングを新たに生み出さなくてはならない。

 

⑤他人と関わる
行動を変えるという観点から最も興味深いのは、隣人との関係だ。隣人はあまり損得勘定せずに助け合うが、長い目で見れば持ちつ持たれつのバランスが取れている必要があるとは思っている。近所の人、友人、仕事の同僚などとの関係は行動を変えるのに利用できる。