日本の長者番付 戦後億万長者の盛衰

発刊
2015年2月16日
ページ数
255ページ
読了目安
293分
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億万長者の系譜
「高額所得者公示制度」が発表された1948年から、現在に至るまでの億万長者がどのような人物だったのかをまとめた一冊。

新興成金と炭鉱事業者の時代 1947年〜1953年

1947年:加藤尚 織物販売業/加藤ビル社長
1948年:森脇将光 金貸し/森脇文庫・将光商事社長
1949年:大野富則 皮革業/合名会社大野製皮所代表
1950年:高島末五郎 真珠養殖業
1951年:古谷博美 石炭鉱業/匿名組合沖ノ山炭鉱など
1952年:古谷博美 石炭鉱業
1953年:上田清次郎 石炭鉱業/上田鉱業株式会社代表

 

この時期の特徴としては、1947〜1950年度までの長者番付トップには戦後のドサクサで一発当てた、いわゆる新興成金が多く、1951〜1952年度までは炭鉱業者、53年度になってやっと巨大企業の創業者が出現し、1954年度以降にそれが主流になっていく。

1947年の貨幣価値は現在のおよそ1/100くらいで、1947年度の長者番付トップの所得額は、現在に換算すればおよそ35億円になる。この時期は超インフレ状態で、8年間で物価は4倍から10倍に跳ね上がっている。

 

松下幸之助の時代 1954年〜1963年

1954年:井植歳男 三洋電機社長
1955〜59年:松下幸之助 松下電器産業社長
1960年:石橋正二郎 ブリヂストンタイヤ社長
1961〜63年:松下幸之助 松下電器産業社長
1964〜66年:上原正吉 大正製薬社長
1967年:大塚武三郎 大塚製薬工場主
1968年:松下幸之助 松下電器産業会長

 

この15年間のトップはすべて、巨大企業の創業者一族である。彼らの富の源泉は、株式公開によるキャピタルゲイン、もしくは所有株式によるインカムゲインだった。

 

土地長者の時代 1969〜1982年

1969年:佐々木真太郎 新日本観光興業社長
1970年:大谷竹次郎 昭和電極社長
1971年:関兵馬 関兵精麦社長
1972年:韓黎 ナボー開発代表取締役
1973〜75年:長万川万治 長万川万治商店代表取締役
1976〜77年:上原正吉 大正製薬会長
1978年:古川義三 古川拓殖代表取締役
1979年:上原正吉 大正製薬会長
1980年:大川堅一郎 大善社長
1981年:田村半十郎 酒造業
1982年:是川銀蔵 常和社長(相場師)

 

土地税制改正で、大口の土地を手放す地主に対して優遇措置がとられ、都市近郊の大地主達が「税金が安いうちに売ろう」と土地を売却した。

 

所得税法の改正 1983〜1991年

1983年:上原昭二 大正製薬会長
1984年:松下幸之助 松下電器産業相談役
1985年:李基寿 東洋金属社長
1986年:高橋滋夫 無職(不動産譲渡)
1987年:北見創 北見木材社長
1988年:アブダル・ハディ・デビス 貿易会社代表(不動産譲渡)
1989年:岩井久雄 不動産貸付(不動産譲渡)
1990年:斎藤了英 大昭和製紙名誉会長(不動産譲渡)
1991年:辰馬久仁 無職(不動産譲渡)

 

所得税法が改正され、公示金額がそれまでより過少に表示されるようになった。そして、譲渡所得者の税率が低いので、土地長者の割合が減る事になった。

 

再び創業者の時代 1992〜2004年

1992年:江副浩正 前リクルート社長
1993年:武井保雄 武富士社長兼会長
1994年:多田精一 相互タクシー社長
1995年:吉原貞敏 東京鉄鋼前名誉会長
1996年:金光富男 関西クレジット会長
1997年:斉藤一人 健康食品販売業
1998年:浜田武雄 レイク元会長
1999年:岡田和生 アルゼ社長
2000年:大塚正士 大塚製薬元社長
2001年:高橋洋二 ユニマットグループ代表
2002年:橋本弘 全薬工業会長
2003年:斉藤一人 健康食品販売業
2004年:清原達郎 タワー投資顧問運用部長

 

『フォーブス 日本版』による日本の億万長者(総資産額)

1998年;堤義明 7980億円 西武鉄道会長
1999年:武井保雄 9360億円 武富士会長
2000年:孫正義 2兆800億円 ソフトバンク社長
2001年:武井保雄 9960億円 武富士会長兼社長
2002年:佐治信忠 1兆1180億円 サントリー会長兼社長
2003年:佐治信忠 8520億円 サントリー会長兼社長
2004年:佐治信忠 7590億円 サントリー会長兼社長
2005年:佐治信忠 6380億円 サントリー会長兼社長
2006年:武井保雄 5940億円 武富士元会長
2007年:孫正義 6960億円 ソフトバンク社長
2008年:森章 7500億円 森トラスト社長
2009年:柳井正 6000億円 ファーストリテイリング会長兼社長
2010年:柳井正 9200億円 ファーストリテイリング社長
2011年:孫正義 8100億円 ソフトバンク社長
2012年:柳井正 1兆5500億円 ファーストリテイリング社長
2013年:柳井正 1兆600億円 ファーストリテイリング社長
2014年:孫正義 1兆9700億円 ソフトバンク社長